神川沿岸土土地改良区について

               

神川沿岸土地改良区の役割

 当改良区は、現二市(上田市・東御市)を範囲として、昭和27年5月26日に創設されました。
 現在、菅平ダムを中心に、神川から左岸(下流に向かい)で七カ所、右岸で7ヶ所、合せて14ヶ所と、左岸幹線水路から分水している中島堰を加えて15の取入口からなる水利組合を形成し、この集合体が改良区であり、県内でも特異な改良区であります。通常、一つの取入口で1つの改良区を組織しているのが一般的ありますが、それぞれ単独で機能していた昭和24年に成立した土地改良法により、行政指導のもと一体化され、今日があると考えています。
 今回は、受益者の方々に改良区の役割をご説明し、本来各15水利組合が行なわなければならない業務を代行しており、業務は多肢に亘りますが、代表的な項目についてお話しさせて頂きます。

 一、水利権(水を利用する権利)

 日々当たり前のように利用している農業用水は、1年の4月~10月期間で細部に亘り利用量が決められていて、菅平ダム及び各堰は、10年毎にこの水利権を管理している国土交通省から更新することが決められています。
 これらの業務・事務を行う為に国・県・市等とやり取りをし、出来る限り不測の事態にならないように、努力を重ねております。
 具体的な取り入れ量は、3月の堰組合長会議に報告しております。

二、組合員名簿及び土地台帳整理

 時代変化の中で、田畑から他の地目への変更(転用)が多数あり、日々変わる地権者の皆さまからの申請を基に、台帳整理業務を行っています。的確な通常賦課金をお願いする基礎であり、農業委員会・行政書士・土地家屋調査士等との打ち合せ及び、現場調査等を実施し、各地区理事・総代さんに協議をして決定しています。

三、菅平ダムの維持管理について

  改良区の創設以来、ダム建設は神川総合開発事業により、昭和40年~昭和43年10月に築造しました。
 このダムは利水を目的としたダムであり、農業用水・上田市水道水及び長野県企業局発電課が協力なして完成しました。それぞれの利用者目的に応じて維持管理及び維持管理費が決められていて、農業用水は16.25%となっています。1年を通して安定・安全に取水して頂くには、ダムの管理者、漁業者は基より、15水利組合長等とのご協力が必要です。 また、菅平ダムが建造されてから概ね50年が経過し、現在改修工事が実施されています。

四、最近の改良区の現場課題

 農業問題は、高齢化・後継者不足また環太平洋経済連携協定等、大変厳しい農業状勢が反映され、毎年お願いしている通常賦課金の未納者が増加している傾向にあります。これらの対策は、各地区の理事・総代さんが中心になって、それぞれのお宅に出向き徴収をしていますが、よろしくご協力をお願い致します。

神川の名前の由来

 山家神社の例大祭は毎年4月17日に行われ、近在近郷から参拝人で沿道が埋め尽くされるほど賑い、茶屋、料亭は大盛況だった。そのさい参拝人が川の水で清めたことから、この水を神水(かみみず)といい、それが神川になったという説が明治二年の農民一揆の資料「上田騒動右物語」にのっている。
 神川の名前の由来については、このほか四阿山頂に祭ってある奧社が加賀白山神社であったことから、四阿山頂から流れる川を加賀川といったことがあり、それが神川に転じたという説もある。また、白山神社の御手洗いから出るので神川という説。四阿山頂近くに水源を発し、水が純粋で冷徹なところから寒川と称し、それが神川となったなど諸説がある。いずれにしても神川という名の由来は、この神社と四阿山に深く関わっている。
(神と人々の水「菅平鉱毒反対運動と夢のダム」昭和62年2月発行より引用・著者 堀込 藤一氏)

 

長野県神川沿岸土地改良区概要(令和2年4月1日現在)

受益面積
1,194ヘクタール
組合員数
3737名
組織
理事 12名
監事  3名
総代 81名